思うままに

1.その音に何かがわき起こる

 もの言わぬ瞳がこちらを見つめている。
 いや、実際に言葉を発しないだけでそれは、雄弁に語りかけていると思うのは錯覚なのだろうか。
 こちらが動くたびにレンズが焦点を合わせる。
 こちらを見ている。
 そう思うだけで、体の奥から何かがわき起こる。
 これは何だ?
 その問いに答えられるものは目の前の瞳だけか。
 そっと手を伸ばす。
 ジジ…
 音がする。
 こちらを見つめる瞳の言葉。
 伸ばした指を滑らせる。冷たい感触。
 けれど、わき起こる何か。
 体を熱くする唯一の存在。
「……雪風

2.内緒

 自室を出て、おやと軽くクイーンは目を見開いた。
 珍しいことにジョーカーがソファで寝そべっている。それだけではなく、気配に敏感な彼が目を覚まさない。
 側まで近づいても、瞳を開けることはない。
 黒い瞳が閉ざされている今、その顔は幼く見える。
 クイーンは顔を近づける。吐息がかかるくらいの距離だが、彼は一向に目を覚ます気配を見せない。
 ふふ、と吐息だけでクイーンは笑むと、そっと彼の唇に自分のそれを重ね合わせた。
 彼が無防備なのは全くないと言って良いほどない。
 そのチャンスを逃すほど愚かではないのだ。
 ジジ…
 と彼の耳に人工知能RDの目が覗き見をした音が入ってくる。
 RDの目に向き直ると、クイーンは人差し指を口にあて「内緒」と唇だけで伝える。
 何を盗むよりも難しいジョーカーの唇。クイーンは満足げに微笑むと、足音も立てずにその場を立ち去った。



言い訳。




コメントというか、言い訳。
1に関しては、全然消化も昇華も出来ていないのに、書くものじゃないなぁと。でも、この1シーンだけがくるくるくるくる、それはもうくるくるくる回るので、落ちつかせてみました。もう少し艶っぽくしたかった。


2に関しては、レンズ繋がりで。これまた意味不明。
説明すると、自室に引きこもって出てこないクイーンをジョーカーは出てくるのを待ち続けていたらいつの間にか寝ちゃったという、ありがちなシチュエーションです。実はまだ先に


「……?」
 ふと、ジョーカーは目を覚ます。
 側に誰か――クイーンがいたような気がしたが、辺りを見渡しても居ない。
「RD、まだ出てこない?」
「はい」
「……仕方ない。納得いくような物件を探して、仕事をして貰いましょう」


というのがあったのですけど、ここまで書くともっと書かなければいけない気がして割愛。


3というのがあったのですが、このタイトルが涙。陰陽大戦記ネタだったのですが、うまく書けずに断念。


というわけで、中途半端な形なのですが、前後は何もありませんし、書けませんので、こんな形になったのです……
続けられるのなら、続けたかったさー(負け犬)