お薦め本]灼熱を呼べ

灼熱を呼べ (竹書房ラヴァーズ文庫)

灼熱を呼べ (竹書房ラヴァーズ文庫)

この方の前作に落胆させられていたのですが(新人さんであれだけの文章力というのには驚きましたが)、イラストレーターさんに負けて購入。
調律師である裕也と刑事さんである竜治のお話です。二人は高校からの親友。しかし、竜治には爆弾を作る趣味があり、奇しくも世間は”連続爆弾魔事件”が起きていた。
裕也は竜治の部屋で作りかけの爆弾を見つけ、「抱かせてくれたら爆弾は作らない」という竜治の提案にのるのだが、事件はなおも続き、裕也は不信感を抱いていく。

竜治はとにかく余裕のない生き方をしていました。何もかもがいっぱいいっぱいで、読んでいて辛くなるときもありました。
逆に、裕也はほややんとしていて(でも、芯はとても強いように思えます)、その差がまた読んでいて良かったです。緊張ばかりでは読むのに疲れてしまいますしね。
前作でも思いましたが、作品に引き込む構成と、文章のうまさがあります。そして、心配していたまとめ方も、今までの期待感を裏切る事もなく(少々綺麗すぎる感はありましたが)、読了後の満足感に浸れます。
イラストレーターさん贔屓を足して、最終的に★を1つ進呈です!!

人気があれば、続編も出るらしいとか。是非とも読みたいですね。あの竜治が今後どのように変化するのか、気になります。
これからも楽しみな作家さんです。次回作も楽しみ。